背景
2021年11月、イギリスのグラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議（COP26）において、ベトナムのチン首相は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を発表した。このコミットメントは、堅調に経済成長を遂げるベトナムにとって野心的な目標設定であると評価された。また、このコミットメントを達成する為に、ベトナム政府はエネルギー産業や製造業、農業等、国内全ての産業分野に対して温室効果ガス（GHG）削減の対応策や戦略を示したガイドラインを発行した。
こうした国内での取組を強化するほか、技術移転及び資金面での協力を国際社会に呼びかけており、日系企業を始めとする外資系企業からの投資機会が増えている。

本書のポイント
◆ベトナム政府は、GＨＧ削減目標や取組を定めた「国が決定する貢献（NDC：Nationally Determined Contribution）」及びCOP26で表明した「2050年を目標としてカーボンニュートラルを目指す」とのコミットメントを通して、2030年、2050年に向けてグリーン成長を軸とした技術開発や環境管理を推進する政策を掲げている。
◆2022年1月に公布された「GHG排出量低減とオゾン層保護に関する政令」に基づき、今後のエネルギー生産、消費ともGHGの排出を抑える方向にシフトしていく。また、カーボンクレジットやグリーン金融等の国内市場開発を促進することにより、脱炭素の取組に必要な資金確保につなげたいとしている。

目次

１ ベトナムにおけるGHG排出の現状及び2030年までの排出予測
１.１ GHG排出の現状
１.２ 2030年までのGHG排出量予測
２ 国際社会との確約とその実現に向けた実施計画
２.１ NDC
２.２ COP26
２.２.１ 商工省（MOIT）
２.２.２ 天然資源・環境省（MONRE）
２.２.３ 農村開発・農業省（MARD）
２.２.４ 交通運輸省（MOT）
３ 気候変動に関する政策及び戦略
３.１ GHG排出削減
３.２ オゾン層保護
４ 気候変動対策プロジェクトへの投資動向
４.１ 2020年までの投資状況
４.２ 今後投資が望まれる分野
５ 気候変動対策プロジェクトの事例
５.１ 民間企業投資
５.２ ODA
５.３ その他
６ まとめ
参照文献

◆タイトル：ベトナムにおける温室効果ガス排出状況と気候変動対策の動向

◆ページ数：全24ページ

◆販売価格：1500円

◆発行時期：2022年7月